J-StarX|フィンランドコース学生向けイベント報告&アーカイブ動画公開!

2023年7月9日に一橋講堂にて、「J-StarX」学生向けフィンランドコースイベントを開催しました。総勢300名程の学生に参加いただき、大盛況となりました!

開催概要

日時:2023年7月9日(日)15:00-18:30
場所:一橋講堂(東京都千代田区)
対象者:学生
目的:J-StarX学生向けフィンランドコースの理解促進、起業志望学生の機運醸成

タイムテーブル
15:00- 開会、J-StarX概要、主催者挨拶
15:10- トークセッション1「挑戦の軌跡 -学生起業を経て見えたこと-」
15:50- トークセッション2「学生が創る起業文化」
16:30- フィンランドコース応募ガイド、Q&A
17:00-18:30 交流会、閉会

本イベントでは、起業に関心のある学生を対象に、株式会社タイミーの代表取締役社長である小川領氏を招いた学生起業に関するセッションの他、学生主導の世界的スタートアップの祭典「Slush」の元運営メンバーである、松崎真理氏、梅村里奈氏、現地取材を行ったPIVOT株式会社国山ハセン氏による起業文化に関するセッション、事務局によるフィンランドコースの紹介、交流会を行いました。

当日のアーカイブ動画(トークセッション1)を本記事の最後に掲載していますので、是非ご覧ください!

当日の模様

トークセッション1「挑戦の軌跡 – 学生起業を経て見えたこと 」
株式会社タイミー 代表取締役 小川 領氏、モデレーター:デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 代表取締役社長 斎藤 祐馬

株式会社タイミー代表取締役小川氏が自身の起業までの経緯を踏まえ、学生起業を経て見えたこと、学生に期待していることなどを熱く語りました。

※以下、セッションの一部を抜粋して掲載

経営者プロダクトフィット・原体験の重要性
原体験を持っていて、自分が心の底からやりたいと思えるサービスがうまくいくと感じています。「なぜあなたがそれをやる必要があるか」をシンプルに言えるような原体験。私はタイミーを始めて7年が経ち、7年間同じことをずっとやっていますが、まったく飽きておらず楽しいです。

加速的高成長中のタイミー
会社の成長が著しいため、若い人が管理職に早くから就くことができます。それがタイミーの面白いところです。人材マネジメントポリシーとして「人の成長こそがすべて」と掲げています。強い向上心や社会を変えたいという熱量をもった人と共に成長していきたいと思っています。

学生が大事にすべきチャレンジの仕方とは
私自身がこれまで100個の事業アイデアを考え、事業化したのは6つあり、そこから2つの会社を作りました。行動量以外に何もないかもしれないと思う程です。そして、どんな考え方で行動するかが重要で、しっかりアンテナを張っておくことです。フィンランドに行くことになった際も、ただ行くだけでなく、誰と会って何を吸収したいと思って行動するかが大事だと思います。

学生が大人の協力を得るには
「自分はまだ何者でもないが、すぐに行動していつかは恩返しする」ということを真剣に伝えることだと思います。誰も学生時代には戻れません。日本を引っ張るのは皆さんです。等身大であり続けて、目を見て本気の熱量を伝え続けること、そして、一期一会を大事にすることが重要です。

学生起業のメリット
年次が上がってから起業する人に比べて、失敗しても良いということです。年収、家族などを気にせず、多くの時間を費やしPDCAサイクルを回していくことができるということが一番のメリットだと思います。

世界目線を得られた海外経験
ピッチイベントの世界大会に参加した際に、世界目線で戦っていかないと負けてしまうと感じました。「なぜ私がやらなければならないか」ということを同い年の起業家が世界目線で語っていて、会場中の人々の心を動かしていることに衝撃を覚えました。この参加で世界目線を持つようになり、もっと謙虚に学ぼうと思うきっかけになりました。

トークセッション2「学生が創る起業文化」
SUNRYSE コミュニティマネージャ 松崎 真理氏、PIVOT株式会社 国山 ハセン氏、デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 梅村 里奈

学生主導の世界的スタートアップの祭典「Slush」の元運営メンバーである松崎氏・梅村氏、フィンランドの現地取材をおこなった国山氏が起業文化について語りました。

※以下、セッションの一部を抜粋して掲載

学生が主導する世界的スタートアップイベント「Slush」
Slushは、学生主導のもと毎年冬にヘルシンキで開催される世界的スタートアップイベントです。昨年は世界各国から総勢1万2000人の人が集結し、スタートアップ経営者は4000人以上、投資家は2000人以上が参加しました。Slushの卒業生が起業したスタートアップとしては、フードデリバリーサービスのWolt、組織デザインを行うInklusiiv、不動産仲介プラット―フォームのBlokなどがあります。(松崎氏)

フィンランドの現地取材
北欧のスタンフォードといわれるAalto大学や、フィンランドのインキュベーション施設Maria01、Slushのオフィスなどを取材してきました。フィンランドは人口の規模が小さい故に、最初から視点が外に向いていると感じました。現地に行って本当に多くの刺激を受けて帰ってきました。(国山氏)

「起業」が当たり前の選択肢であることを知る
教育制度に関心があり大学時代にヘルシンキに行った際、友人が当たり前に起業しようとしていることを知り、スタートアップに関心を持つようになりました。ヘルシンキにはコワーキングスペースなどが充実していて、学生と起業家が集う場が数多くあります。フィンランドに行く際にはそれを感じていただきたいと思います。(松崎氏)

Slushが大事にしているボトムアップカルチャー
スタートアップのためでもあり、次世代の起業家を育成するためでもあるSlush。著名な起業家や投資家、大統領、首相などが参加するため、学生にとって様々なロールモデルになる方と同じ空間でコラボレーションが出来るという特別な機会です。そして、フィンランドには「一人で出来ないことを一緒にする、Talkootカルチャー」があり、Slushの会場作りに登壇者も学生も一緒になって取り組んでおり、そこでの雑談から事業アイデアなどに繋がることもあるのだろうと思います。(松崎氏)

アングリーバードの創設者・ピーター氏とお会いしました。当たり前に学生たちと接する場にいて、レクチャーをしているということを伺いました。そして、Slushの方のお話からも、みんなでとにかくやってみよう、という文化があるように感じ取りました。(国山氏)

世界に視座を持ち上げるには
周りの環境をアップデートしてくことが重要です。世界を目指すプロダクトを作ろうとする人に囲まれているかそうではないかで変わってくると思います。フィンランドの学生もヨーロッパ市場全体やアメリカ市場をはじめから狙っているケースが多くあります。Webサイトで採用している言語や、チームメンバー、参加するイベントなど、一つひとつをアップデートするのが大事だと思います。(松崎氏)

行動力は本当に大事だと思っています。グローバルマインドを身につけたかったら海外に行くこと、日本でグローバルなイベントに参加することなど、様々なチャレンジをしてほしいと思います。この事業でフィンランドに行ったら、起業マインドを学んだ上で世界の学生がどのように行動しているかを見て、日本人として何が出来るのか、やっていきたいのかを考えていただく機会にしていただきたいと思います。(梅村氏)

交流会
講演の終了後は、講演者・主催者・参加者による交流会を行いました。会場は終了時間まで満員状態が続くほど高い熱量に包まれ、起業を志す学生同士のネットワークづくりに役立つ機会となりました。

参加者の声

・起業という選択肢にはじめから蓋をしていましたが、それを変える良いきっかけとなりました。
・小川さんの日本や世界に対する熱い思いを伺い、私たちの世代が世界目線をもったリーダーに成長する必要性を感じました。
・日本政府が私たちへの支援に非常に積極的であることを知り、挑戦に対するハードルが下がりました。
・フィンランドにおける多様性の考え方や日本との違い、起業マインドなど、多くの学びがあり非常に有意義でした。
・質の高いネットワークができ、遠くから来た甲斐がありました。


アーカイブ動画・応募方法
イベント当日の様子や、フィンランドコース概要について、J-StarX公式YouTubeに公開していますので、是非ご覧ください!
▶ 第1部 フィンランドコース概要説明 – YouTube はこちらから
▶ 第2部 学生イベントの模様 – YouTube はこちらから

※トークセッション1をご覧いただけます。

【フィンランドコース概要】
日本国内の学校に通う高校生・高専生・大学生・大学院生を対象に、フィンランドのスタートアップエコシステムに主体的に触れ、世界でのネットワーク構築と起業家マインドを形成いただきます。今回のプログラムでは北欧のスタンフォード大とも言われるAalto大学や、フィンランド有数のインキュベーション施設・Maria01を訪問、講義を受けると共に、Slushにも参加し学生主体のサイドイベントにも参画いただきます。

▶ フィンランドコース募集要項 はこちらから

フィンランドコース募集締切:2023年8月10日(木)


登壇者

小川 領 株式会社タイミー 代表取締役社長
1997年生まれ。2017年にアパレル関連事業の株式会社Recolleを立ち上げるも1年で事業転換を決意。2018年よりスキマバイトアプリ「タイミー」のサービスを開始。「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもと、様々な業種・職種で手軽に働くことができるプラットフォームを目指す。

斎藤 佑馬 デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 代表取締役社長
2010年より同社立ち上げに参画。2019年、同社代表取締役社長に就任。公認会計士。起業家が大企業100人にプレゼンを行う早朝イベントMorning Pitch発起人。新聞・雑誌・テレビ・オンラインメディア等、メディア掲載多数。「2017年 日経ビジネス 次代を創る100人」に選出。

松崎 真理 SUNRYSE (海外スタートアップデータベース・メディア) コミュニティマネージャー
立命館大学国際関係学部にてヘルシンキ大学交換留学、Slush東京運営チームのスタートアップ・広報を担当、合成自治体のスタートアップ支援協業(Shibuya Startup Supportなど)などに携わる経験を持つ。

国山 ハセン PIVOT株式会社 プロデューサー
TBSテレビにてアナウンサーとして「news23」「Nスタ」「アッコにおまかせ」など、報道番組キャスターからスポーツ、情報、バラエティ番組まで幅広く担当。2023年よりPIVOTにプロデューサーとして参画。番組出演・企画制作を担当。

梅村 里奈 デロイト トーマツベンチャー サポート株式会社
大学時代にSlush Tokyoの運営に携わったことをきっかけに、スタートアップに興味を持ち、数社でのインターンを経て学生起業。2021年にデロイトトーマツベンチャーサポート株式会社に入社。現在はグローバル×スタートアップの軸で様々なプロジェクトに携わる。

2023/7/28